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最適な無線化を実現するために!今知っておきたい10の無線通信規格

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。

今回のテーマは「無線通信規格」です。

ここ最近、5GやIoTなどのテクノロジートレンドの影響もあり、無線通信には様々な規格が登場してきています。そのため、それを選定する側のエンジニアにとっては「どの無線通信規格を選んで、無線化開発を行えば良いのか?」という悩みが多くなってきました。更にお客様ごとに最も適した無線化を実現するには、それぞれの無線通信規格の特徴を理解した上で比較・検討しなければなりません。そこで本記事では無線化開発を検討する上で今知っておきたい10の無線通信規格を大きく四つのカテゴリーに分類し、順々にご紹介をしていきます。

【無線通信規格の分類】

①近距離 × 低速、低消費電力な無線通信

■Bluetooth Low Energy

通称BLE(ビーエルイー)。Bluetoothバージョン4.0『BLE』は低消費電力の通信仕様として2010年に発表されて以降数多くの製品で採用され、大多数のスマートフォンに標準で搭載されています。そのため波及範囲は広く、車載用、民生用、更には産業用など幅広い分野で使われてきており、もはやデファクトスタンダードな無線通信の代表規格とも言えます。BLEはその名の通り低消費電力が特徴のため、例えば1秒間に20byte程度のデータを送受信するような活用を想定した場合、無線接続自体はコイン電池で1年程度の寿命の運用に適しています。

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■Thread

Threadは2014年にGoogle傘下のNestや韓国のSamsungなど、技術系企業7社により結成された「Thread Group」がホームネットワーク向けに策定した無線通信規格です。ルーティング型のメッシュネットワークを構築しますが、経路構築がフレキシブルなのが特徴です。リーダーノードが故障した場合に、別のノードが自動的にリーダーに切り替わり、経路を再設定します。インターネットとの親和性を意識した規格になっていることもあり、今後ホームネットワークでの活用拡大が期待されています。

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②遠距離 × 低速、低消費電力な無線通信

Low Power Wide Area

通称LPWA(エルピーダブリュエー)。2015年位を境に「IoT」のトレンドとともに徐々に広がっていき、今ではLPWAだけでも様々な無線通信規格が策定されていますが、大きくは『既存の携帯電話ネットワークシステム』か『新たな無線通信システム』のカテゴリーに分けることができます。今回その中でも私個人が特に注目している6つの規格についてご紹介します。

【 既存の携帯電話ネットワークシステム

LTE-M

国内の通信キャリアではKDDI、SoftBank、docomoがこのLTE-Mのネットワークシステムを提供しており、他のLPWAと比べて通信速度が300kbps~1Mbpsと早いことが特徴です。これにより、大量のデータを収集したり、頻繁にデータをやりとりしたりするIoTサービスに適しています。また、遠隔地からのファームウェアのアップデートを実現するFOTA(Firmware On-The-Air)や移動時の基地局の切替を行うハンドオーバーにも対応しており、自動車やスマートメーター、貨物追跡などへの適用も期待されています。

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NB-IoT

国内の通信キャリアではSoftBank、docomoがこのNB-IoTのネットワークシステムを提供しており、速度や機能を極限までそぎ落とし低コストを追求しているのが特徴です。例えば、SoftBankでは該当プラットフォームを併せて利用した場合、回線料金は最低月額10円から利用することが可能です。活用イメージとしては低速で遅延を許容可能なIoTアプリケーションに対応することを想定しており、具体的にはパーキングメーターや水道・ガス・電気など各種メーターのように基本的に静止しているモノに適した無線通信方式です。

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【新たな無線通信システム】

ELTRES

読み方はエルトレス。ソニーおよびソニーセミコンダクタソリューションズが開発した独自のLPWAネットワークシステムです。送信電力が20mWの特定小電力無線でありながら、見通しで100km以上の通信距離および時速100km以上の高速移動中のクルマでも通信できる特長をもつと言われています。2019年6月発表のELTRES対応の通信モジュール「CXM1501GR」は、時刻情報と位置情報を取得するため、準天頂衛星「みちびき」や米国GPSなどの衛星測位システム「GNSS」の信号を受信するLSI、高周波回路も備えています。

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LoRaWAN

読み方はロラワン。グロ―バルでオープンな通信方式であり、LoRa Allianceにて規定・推進されています。よくLoRaとLoRaWANってどう違うのか?という疑問を持つ方がいらっしゃいますが、LoRaは変調方式を表し、MACレイヤーを含んだ仕様がLoRaWANになります。特に言葉の使い分けをする場合、単にLoRa変調を利用した通信をLoRaプライベートと呼び、LoRa Allianceの仕様に基づいてゲートウェイやサーバーを含めて一連のネットワーク構築をしたものをLoRaWANと呼びます。用途ごとに3つのデバイスクラス(①バッテリー消費を最も抑えられるクラスA、バッテリー駆動するアクチュエーターなどの制御に適したクラスB、そして電源駆動を想定したクラスC)を用意しているためユーザー環境に応じて設計しやすいのが特長です。

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Sigfox

Sigfoxの特長は何と言っても日本国内の人口カバー率が高いこと。2019年6月時点で人口カバー率95%を突破しました。またグローバルでは特にヨーロッパを中心にエリア展開が加速しています。またSIGFOXクラウドの提供から、SIM/ペアリング設定の必要がないことから簡便にクイックスタートが切れる通信方式としての特長があります。一方で、データレートが遅く、データ量が小さいことから、少量データの収集やイベント発生に伴う通知など割り切ったシステム運用に適しています。

京セラコミュニケーションシステムのSigfoxページはこちら

ZETA

読み方はゼタ。2018年にアイティアクセス、QTnet、テクサー、凸版印刷により設立されたZETAアライアンスがZETAの普及を推進しています。前述のLoRaWANやSigfoxが「スター型」というアクセスポイントを介してIoT機器を無線接続しネットワークを構築するのに比べ、ZETAは「メッシュ型」と呼ばれます。モート(中継器)を経由してエッジデバイス(センサー等)がメッシュアクセス層に接続、単一のアクセスポイントからデータをサーバに送信し、クラウドに接続できるので、単一のアクセスポイントでより広範囲のカバーが可能です。

凸版印刷のZETAページはこちら

③近距離 × 高速、高消費電力な無線通信

Wi-Fi

Wi-Fiが登場してから約20年、説明が不要なほど最も普及している無線通信規格です。ここ数年で訪日外国人の増加や利便性向上を意識し、公共施設、コンビニ、飲食店、ホテルをはじめ新幹線・飛行機などの交通機関にもFree Wi-Fiのスポットが多く設置されてきました。このWi-Fiによる無線通信は、スマートフォンを使ってユーザーがゲーム体験や動画視聴を行う機会など、膨大なデータ量を高速で処理することが可能という特長があります。

④遠距離 × 高速、高消費電力な無線通信

LTE

LTEはLong Term Evolutionの略。携帯電話の通信規格であり、別名4Gとも言われ、第4世代移動通信システムのことです。前述のWi-Fiに比べ利用できるエリアが広く移動体に適した通信システムとしての特長があります。通信の安定性を高めるため通信会社ではLTEのアップデートが行われており、2019年度には第5世代移動通信システムである5Gの導入も予定されており、この領域の進歩は目が離せません。

ここまで様々な無線通信規格についてまとめてきました。しかしながらこれは『現時点での無線通信規格』であり、今後もより進化を遂げた無線通信規格が世の中に出てくると思います。その都度、エンジニアの方々はご自身の実現したい無線化に応じて最適な無線通信規格を選択する必要があります。我々ムセンコネクトでは今後も継続して無線通信規格の動向については注視し、皆様が最適な無線化を実現できるように随時情報をお届けしていきたいと考えています。

水野 剛
この記事を書いた人
岩手県出身。筑波大学大学院修了。AGC、ユニクロ、freeeを経て、デバイスと無線通信をひとつにする『つなぎ役』として、どんなメーカーでも無線化を実現できる世界をつくりたいという想いで株式会社ムセンコネクトを創業。株式会社イーアールアイの室長を兼任。
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