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Bluetoothイベント速報まとめ。Bluetooth5.1 Direction Finding、Bluetooth mesh、市場動向など一挙発表

2019年10月16日に開催された「Bluetooth東京セミナー2019」イベントの速報をお届けます。Bluetoothに関する最新の情報や各社の取り組みから皆さまの無線化開発のヒントになれば幸いです。

最新のBluetooth version5.1のDirection Findingに関する話題やBluetooth mesh、更には今後5年間の各分野での市場動向などが一挙に発表されました。

世界規模のマルチベンダー相互運用性が、ワイヤレスソリューションの活用方法を拡大

まずはBluetooth SIGのJim Katsandres氏が登壇。「相互運用性」をキーワードに現在のBluetoothの状況と拡大の可能性を強調。Bluetoothが提供しているのは世界規模かつマルチベンダー間の相互運用性、これによってグローバルでもBluetoothの採用が進み、特に最も急速に成長しているはAPAC(アジア太平洋)地域とのこと。

またBluetoothは拡大するニーズに対して

  • アドバタイジングの強化
    • より高速に(LE 2M PHY)
    • より広範囲に(LE Coded PHY)
  • GATTキャッシュの強化
  • 方向検知
  • メッシュネットワーク

など機能が進化することで応えていくと宣言。また、今回のイベントの目玉になったversion5.1の方向検知機能に関しては、「従来のRSSIによる受信強度でのメーターレベルだった屋内測位が、センチメートル単位での屋内測位が可能になる」とのこと(別途後述)。

Bluetooth meshに関しては欧米を中心に商業照明などで活用し始め、何千もの照明を時差なく点灯できる技術として伸びてきているおり、セキュアなネットワークを構築できるのも利点であると強調。

最後はBluetoothが今後20-30年続くグローバル標準のテクノロジーであり、普及と革新を続けていくことを宣言して終了。

The future looks bright (and blue):Bluetooth市場動向2019を読み解く

続いてBluetooth SIGのLori Lee氏が登壇。 Audio Streaming市場は2023年には年間出荷台数が12億7,000万台、全スピーカーの90%、全新車・トラックの93%、 全ヘッドホンの50%以上にBluetoothを搭載されると予想。

Data Transfer市場は2023年には年間出荷台数が13億5,000万台、ウェアラブルデバイス・スマートウォッチなどにより2023年に最も成長するソリューションとして期待されており、従来活用がなかった異業種からの参入も14%見込む。

Location Service市場は2023年には年間出荷台数が4億3,100万台、全数は少ないものの、BLEの導入により、インドアロケーション市場の伸び率はダントツ。「最も急成長するソリューション」として期待。この裏付けとしてはDirection Finding機能の追加が大きい模様。

Device Networks市場は2023年には年間出荷台数が3億6,000万、スマートインダストリー・スマートホームなどがこの範囲。より大きなネットワークを形成することで住居用スマート照明の成長率は4.5倍までを期待。

『新興市場に関する展望と課題(位置情報サービス・デバイスネットワークなど)』

今度は株式会社東芝の足立氏が登壇。これまでのBluetooth技術のトレンドから現在はBLEのBroadcast、mesh、そしてversion5.0、5.1の機能強化が主流になってきていると解説。特に、5.1では方位/位置推定による『精度向上』『顧客誘導』『資産管理』がキーワードになってくると予想。一方でmeshは『簡単設定、簡単メンテナンス、セキュリティ』ができると普及が進んでいくとし、期待感はあるものの現状は大きく成長はしていないと言及。

そして、新興市場(≒これまで活用されてこなかった市場)の立ち上げを成功させるためには『公共施設/店舗/工場などのB2B施設からスタートすべし』だが、『B2B施設の法定耐用年数と認証済製品の使用年数とのギャップを再認識し、その互換性を意識した取り組みが重要』との結論。

Bluetooth meshを活用したIoT専用LAN

次は株式会社WHEREの丸田氏が登壇。この会社はmeshテクノロジーの黎明期から開発を進め、現在は『EXBeaconプラットフォーム』というサービスまでを立上げ。これまでの導入事例を公開。

個人的に興味深かった『プラントにおける作業員位置検出システム』(写真左図)

Bluetooth方向検知機能と最新仕様がもたらす進化

最後はBluetooth SIGのKai Ren氏が登壇。このセッションはversion5.1に絞ったテーマで進行、到達角度:AoA(Angle of Ariival)と発信角度:AoD(Angle of Departure)の原理の詳細を解説。

まずはAoA。受信機側に複数のアンテナがあって、発信機側から発信される無線信号を受信機側の複数のアンテナが受信する位相差から到達角度を割り出す。

続いてAoD。AoDとは逆に、発信機側に複数のアンテナがあって、受信機側は発信機側から順次発信されるアンテナ配置に関する情報を含めた無線信号を受信機側は受けて、到達角度を割り出す。

その他にもversion5.1の最新機能である『GATTキャッシング機能の強化』に関しても言及。

その他にもチップベンダーであるシリコン・ラボ、ノルディック・セミコンダクター、Dialog Semiconductor各社からもversion5.1に対応した製品に関する紹介や認証・評価機関からの案内も多数ありました。私個人はこのBluetoothに関わってまだ1年程度のため、学びが多く非常に有意義なイベントとなりました。一方で、まだまだ分からない専門用語や技術的内容も含まれるため、より一層の勉強が必要だなと痛感しました。今後もこのようなイベントやお客様からのお問合せを通じて自分自身や事業をアップデートをしていき、お客様に還元していきたいと思っております。

水野 剛
この記事を書いた人
岩手県出身。筑波大学大学院修了。AGC、ユニクロ、freeeを経て、デバイスと無線通信をひとつにする『つなぎ役』として、どんなメーカーでも無線化を実現できる世界をつくりたいという想いで株式会社ムセンコネクトを創業。株式会社イーアールアイの室長を兼任。
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