Component認証済みBluetoothモジュールを使って認証取得する方法
こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら)
※本テーマは動画視聴が難しい方向けにテキストでの解説もご用意しております。本ページをスクロールしてご覧ください。
以前もご紹介しましたが、『Component認証済みBluetoothモジュールを製品に組み込んだ場合のBluetooth認証取得』は苦労するケースがあります。そこで今回は、実例を基に、Component認証済みBluetoothモジュールを使って認証取得する方法について解説します。
Component認証済みBluetoothモジュールとは?
以前の記事でも解説していますが、まずはBluetoothの設計認証についておさらいします。
設計認証
設計認証とは、Bluetoothのハードウェア、ソフトウェア、機能がBluetoothの技術要件を満たしているかを証明するものになります。その中で、下の図の通り、一番下の構成要素であるモジュールレイヤーのみBluetoothの技術要件を満たしているのがComponent認証です。つまり、Component認証済みBluetoothモジュールとは、Bluetoothの技術要件を一部分のみ満たしているBluetoothモジュールであることが分かります。
Component認証済みBluetoothモジュールを自社製品に組み込んでいる場合、Bluetoothの設計認証はどうすればよいのか?
では、自社製品にComponent認証済みBluetoothモジュールを組み込んで製品開発した場合、設計認証はどうすればよいでしょうか?
その場合は、Component認証済みBluetoothモジュールとして取得したQDIDや、その他レイヤーで取得したQDIDを組み合わせて『End Product』として認証を取得する必要があります。
以上を踏まえて、次のパートでは実例を交えて認証取得する方法とそのポイントについて解説します。
【実例】Component認証済みBluetoothモジュールを使って認証取得する方法とは?
メーカーD社(仮名)は中国で製造したウェアラブルデバイスを日本で輸入販売しようとしていました。当該機器にはComponent認証済みBluetoothモジュールが組み込まれており、サプライチェーンは以下のようなイメージでした。
そのような状況でBluetooth認証取得についてお問い合わせをいただき、ムセンコネクトがメーカーD社のサポートで加わりました。Bluetooth認証取得の際には、大きく3つのステップに分けて進めました。
①認証機関を知るべし
Component認証済みBluetoothモジュールを組み込んだ製品の場合、BQTF(Bluetooth Qualification Test Facility)として認定されている認証機関にて、設計認証の試験が必要になります。日本のBQTFは以下の通りです。
②資料を準備するべし
実際にメーカーD社が用意した資料(※)を記します。
- Bluetoothモジュール回路図
- BluetoothモジュールPCBレイアウト
- Bluetoothモジュールの部品配置図
- Bluetoothモジュールの部品リスト
- 機能ブロック図
- 使用ICのデータシート
- RFテストレポート(ない場合は別途試験が必要)
※上記資料はD社のケースであり、他のケースでは準備すべき資料が全く変わってくる可能性があるのでご注意ください。
ポイント
この2つ目のステップが一番大変であり、多くのメーカー様が苦労されています。メーカーD社のケースではサプライチェーンが大きく影響しました。様々な企業が関わり、さらには国を越えた情報のやり取りにより、想定外のミスやコミュニケーションエラーが発生したことで、2つ目のステップだけで約3カ月間の時間を要してしまいました。販売が間近に迫っている状況でこのような状態にならないよう、余裕を持ったスケジュールで取り組みましょう。
③製品登録をすべし
最後のステップでは、Declaration IDを購入し、適切な製品登録を実施することでBluetooth認証の取得が完了します。
ポイント
ムセンコネクトではBluetooth認証登録代行サービスをご用意しております。お客様のご状況に応じて、最適な認証機関(BQTF)を選定し、認証取得のお手伝いをしております。
タグ:BluetoothSIG / QDID / Declaration ID / Component / ブルートゥース / EPL登録 / Bluetoothモジュール / SIG認証