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【警告】多くの企業は、『Bluetooth認証未取得』で起こるリスクを甘く見ている

※2020年6月22日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2020年10月22日に再度公開しました。

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら

※本テーマは動画視聴が難しい方向けにテキストでの解説もご用意しております。本ページをスクロールしてご覧ください。

今回は『Bluetooth認証の未取得』をテーマにしています。そこにはリスクが存在するため、その理由と仕組みについて理解を深める動画です。

これまでもBluetooth認証について自社ブログやYouTube内でもお伝えしてきましたが、多くのお客様から「どうせBluetooth認証なんて取得しなくても大丈夫なんでしょ?」と皆さま、軽くみている傾向があります。

本日はBluetooth認証未取得を軽く見てはいけない理由、コンプライアンス違反に対する強制エスカレーションプロセスの仕組み、という点にフォーカスしてポイントを解説しています。

認証未取得を甘く見てはいけない理由

以前自社ブログでもご紹介していますが、Bluetooth認証を取得していない場合Bluetooth SIGは本当に督促をします。

また、Bluetooth認証の最終製品登録が完了せずに、是正措置が取られない場合は強制措置の対象となります。ここでいう是正措置というのは『Bluetooth認証の取得を行うこと』になります。

そして、認証未取得の製品は税関で差し押さえすることが可能です(詳細は後述)。また、Bluetooth SIGメンバーは『是正措置を取らない企業をルール違反者』としてSIG側に報告が可能です。よって、例えば仮に自社が最終製品登録をしておらず、自社にとって競合となる企業がそのルール違反に気づいた場合、自社に対してビジネス上不利な環境に陥れる恐れも考えられます。

そして最悪は、制裁金が科される恐れもあります。

ここまでお話して、Bluetooth認証未取得で起こるリスクについては十分お伝え出来たと思います。

迷信)『Bluetoothというロゴや言葉(名前)を使用しなければBluetooth認証を取得しなくてもよい』

上記のようなお問合せをおっしゃる方々が一定数いらっしゃいますがこれは迷信になります。Bluetooh SIGでは

「Bluetoothロゴの使用有無に関わらず、Bluetooth技術を使用した時点でBluetooth認証が必要」

「Bluetooth認証を取得した上で、ロゴを使用するしないはメーカーの自由」

と、明確に案内しているのでお気を付けください。

コンプライアンス違反に対する強制エスカレーションプロセスの仕組み

Bluetooth SIGでは先述したようなBluetooth認証取得せずに是正措置をとらないルール違反を『コンプライアンス違反』という言葉で定義し、それを解決に導く、つまりは是正措置を取るための仕組みとして『強制エスカレーションプロセス』を用意しています。

この強制エスカレーションプロセスにはいくつかのワークフローイベントが設定されており、解決のための明確に定義されたパラメータも準備されています。

強制エスカレーションプロセスの仕組みを理解することで、もしBluetooth認証を未取得、かつ、強制措置の対象となった場合でも、最小限のリスクに留めることが可能になります。

Day0:初期通知

コンプライアンス違反の違反追跡システムに登録されたことが、該当メンバーの主要連絡メールアドレス宛にメールが届きます。

Day15:リマインダー通知1

コンプライアンス違反がシステムに登録されてから15日目には、Day0と同じ初期通知のリマインドが該当メンバーの主要連絡メールアドレス宛にメールが届きます。

Day30:リマインダー通知2

コンプライアンス違反がシステムに登録されてから30日目には、45日目以内に解決されないとPhase 2へ進みますという内容の通知がメールで届きます。

Day45:エスカレーション通知

コンプライアンス違反がシステムに登録されてから45日目には、この強制措置を停止するためにはSIG側が該当違反のステータスを「解決済み」に変更した場合のみ適用されるという連絡がきます。

Day60:リマインダー通知

コンプライアンス違反がシステムに登録されてから60日目には、違反登録されてから75日目以内に解決しないと、最終製品登録料+コスト回収料金$4,000 USD請求しますという旨の連絡がきます。

Day75:最終エスカレーション通知

コンプライアンス違反がシステムに登録されてから75日目には、事実上の最後通告があります。最後通告後SIGの理事会が開かれメンバー企業のメンバーシップ停止が承認されると停止通知がきます。

DayXX:最終通知後

コンプライアンス違反がシステムに登録されてから75日目以降も解決されない場合、最終製品登録料+コスト回収料金$8,000 USDの請求が決定、資格を失効します。失効前までに解決した場合のコスト回収料金は$4,000 USDとなりますが、失効後のコスト回収料金は$8,000 USDに増加します。

Bluetooth SIGによるアメリカ合衆国税関プログラム

Bluetooth SIGは、税関登録した商標を保護すべく、長年にわたり税関当局と連携をとってきました。アメリカへの輸入品でBluetooth®の商標を一つ以上使用し、商標権侵害が疑われるBluetooth機器は、当局により税関手続きを差し止められる可能性があります。

製品通関手続きの遅延防止

輸出品を迅速に仕向け先へ届けることの重要性を踏まえ、通関保留になるのを避けるため、当該製品のブランディングが適切かどうか確認していただく必要があります。Bluetoothブランドガイドの確認方法等の情報は以下でまとめております。

また、当該製品はBluetooth SIGブランディングの全要件を満たしていることの確認に加えて、Bluetooth認証を取得しなければなりません。Bluetooth認証全般に関しては以下でまとめております。

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この記事を書いた人
AGC、ユニクロ、freeeを経てデバイスと無線通信をひとつにするつなぎ役として、どんなメーカーでも無線化を実現できる世界をつくりたいという想いで株式会社ムセンコネクトを創業。筑波大学大学院修了、Bluetooth SIG公認 Bluetooth®認証コンサルタント。
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