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なぜBluetoothデバイスには電波法とBluetooth認証が必要なのか?無視するとどうなるのか?

こんにちは、ムセンコネクトCMO、兼 無線化.comカスタマーサポート担当の清水です。
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今回はメーカーエンジニアがBluetoothデバイスを開発する際に避けては通れない電波法とBluetooth認証に関するお話です。

Bluetoothデバイスに必要な電波法とBluetooth認証

メーカーエンジニアがBluetoothモジュールを組み込んでBluetoothデバイスを開発、販売する場合、メーカーは電波法とBluetooth認証を取得する必要があります。

なんとなく必要なものということは理解できていても、なぜ必要なのか?、仮に無視した場合はどうなるのか?、みなさんはそこまで理解できているでしょうか?
実際、「無線認証を無視した場合はどうなるの?罰則はあるの?」というお問い合わせは、メーカーエンジニアから最も聞かれる質問の一つです。

今回は電波法とBluetooth認証の違いに着目しながら、必要性について解説したいと思います。

電波法とBluetooth認証の違いは?

まずは電波法とBluetooth認証を正しく理解する上で、2つの違いについて着目したいと思います。

電波法は国の法律

電波法というのは日本国の法律です。現在は総務省の管轄であり、下記ページのように定められています。
https://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a720010001.html

Bluetooth認証は民間団体が定めた独自ルール

ではBluetooth認証も国の法律か?というとそういうわけではなく、Bluetooth認証というのはBluetooth SIGという民間団体が定めている独自ルールです。つまり法律ではありません。この違いをしっかり認識するのが重要です。

運転免許に例える

この電波法とBluetooth認証の違いを運転免許に例えて補足します。

電波法は国が発行している普通自動車免許


例えて言うなら、電波法は国が発行している普通自動車免許のようなものです。
公道でクルマを運転するためには普通自動車免許が必要です。同じように公の場で無線機器を利用するためには、その無線機器が電波法を取得している必要があります。

Bluetooth認証はF1のライセンス


一方、Bluetooth認証はF1のライセンスに例えられます。
F1のマシンに乗る、F1のレースに参加するためには国際自動車連盟(FIA)が認定するF1のライセンスが必要ですが、それを所持していたからと言って、日本の公道を運転できるわけではありません。逆も然りで、普通自動車免許を持っていたからと言って、F1のレースに参加できるわけではありません。

つまり普通自動車免許とF1のライセンスが全くの別物であるように、電波法とBluetooth認証もそれぞれが独立した全くの別物であることがご理解いただけると思います。

運転免許は国や地域によって管轄が異なる

もう一つ、電波法が運転免許に似ている点、それは「運転免許は国や地域によって管轄が異なる」という点です。

日本の普通自動車免許は日本国内でしか有効ではありません。日本の免許を持っているからと言って世界中のどこでもクルマを運転して良いというわけではなく、アメリカで運転したければアメリカの、中国で運転したければ中国の運転免許が必要です。

同様に、無線機器も日本の電波法を取得していれば全世界どこでも電波を発信して良いわけではなく、アメリカで使用したければアメリカの、中国で使用したければ中国の電波法を取得する必要があります。国によって法律が異なるのは当然のように、電波法も法律ですので、その国々に合わせた手続きが必要となります。対して、Bluetooth認証は法律ではありませんので、国ごとに取得が必要というものではなく、一度取得してしまえば全世界で有効です。

無線認証を無視するとどうなる?

では仮に電波法とBluetooth認証を無視してしまった場合はどうなるのでしょうか。

電波法は法律違反

電波法は法律ですので、無視した場合は単純に法律違反となります。稀に電波法違反で検挙されたという報道を目にすることがありますが、法的に処罰の対象となってしまいます。

Bluetooth SIGの権利の侵害(民事)

一方Bluetooth認証は法律ではありませんので法的な処罰の対象にはなりませんが、不当にBluetoothSIGの権利を侵害したということで、民事的なリスクを負うことになります。Bluetooth認証を取得せずにBluetooth技術を利用することは、権利者であるBluetoothSIGに許可なく無断でその技術を利用してしまったということで、販売差し止めや賠償責任のリスクがあるということです。

BluetoothSIGは本当に督促する

ここでみなさんに知っていただきたい重要な事実があります。それは「BluetoothSIGは認証取得していないメーカー、製品に対して、認証手続きを完了するよう本当に督促する」という事実です。

私が知るだけでも実際に督促を受けたメーカーを3社知っています。1社目はZEALをご採用いただいたメーカー様、2社目は無線化.comで扱っていたムラタのBLEモジュールをご採用いただいたメーカー様、そして3社目はEPL登録を代行したお客様の3社です。

3社それぞれBluetoothSIGから督促を受け、私も実際にそのメールや書面を拝見しましたし、その後のやり取りに対して相談を受けたりしましたので、本当に督促されることがあるのは間違いありません。
2社は比較的容易に解決したのですが、残り1社はペナルティを受ける事態にまで発展してしまいましたので、Bluetooth認証を無視することは大きな代償を覚悟をしなくてはなりません。

Bluetoothロゴを使用しなければBluetooth認証は不要?

「Bluetoothロゴは使用しなくても良いんですが、それでもBluetooth認証は必要ですか?」
こういった質問もよく受けます。

Bluetooth SIGは
「Bluetoothロゴの使用有無に関わらず、Bluetooth技術を使用した時点でBluetooth認証が必要」
「Bluetooth認証を取得した上で、ロゴを使用するしないはメーカーの自由」
と案内しています。というわけで、ロゴを使用しなければBluetooth認証は不要ということにはなりませんのでご注意ください。

採用するBluetoothモジュールによって、メーカーのやるべきことが異なる

このように、Bluetoothデバイス開発には避けては通れない電波法とBluetooth認証の対応ですが、実際メーカーエンジニアがどのような手続きをすれば良いのかは、採用する(組み込む)Bluetoothモジュールによって異なります。

Bluetoothモジュールが電波法を取得済みかどうか、Bluetooth認証を取得済みかどうか、Product Typeは何か?によって最終製品での手続きが変わってきます。
BluetoothモジュールのProduct Typeに関する解説、選び方のアドバイスについては「Bluetooth認証のQDIDとは?Bluetoothモジュール選びの際はQDIDとProduct Typeに要注意」を参考にしてください。

清水 芳貴
この記事を書いた人
東京都墨田区出身。エイディシーテクノロジー株式会社 常務取締役として組込用BluetoothモジュールZEALシリーズの企画、販売、サポートに従事。1,000社を超えるメーカーに販売、導入をサポート。また、自身が「無線初心者」としてイチから学んだ知識やノウハウをメーカーエンジニアに活用してもらうため、Bluetooth導入サポートサイト「無線化.com」を運営。ZEALシリーズの販売終了に伴い、ムセンコネクトにBluetoothモジュール事業を移管するため設立メンバーとして参画。 家族構成:妻、長女、長男の4人暮らし。 好きなもの: よく晴れた日に昼間から飲むビール、 家族や友人が楽しそうにしている様子を写真に撮ること、 子どもたちと一緒に時間を過ごすこと。
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