Bluetooth搭載「個人線量計」、アロカ株式会社様のBluetooth認証登録代行導入事例

こんにちは、ムセンコネクトの石母田です。
今回は弊社の『Bluetooth認証代行サービス』をご採用いただいたアロカ株式会社様の導入事例インタビューをお届けします。
放射線測定器の専業メーカーとして長年業界をリードしてこられたアロカ株式会社様。Bluetooth機能を搭載した新型の個人線量計『マイドーズミニ PDM-700シリーズ』を開発された、技術本部 AS技術部 部長 谷野寿和様、AS技術部 技術一課 技師 冨澤昌寛様、同じく技術二課 技師 沢畑克樹様に、製品化に至った経緯と、実際にムセンコネクトの『Bluetooth認証登録代行サービス』をご利用頂いた感想を伺いました。
*写真右から アロカ株式会社技術本部 AS技術部 部長 谷野寿和様、技術本部 AS技術部 技術二課 技師 沢畑克樹様、技術本部 AS技術部 技術一課 技師 冨澤昌寛様
アロカ株式会社とは?

アロカ株式会社は、1950年に日本無線株式会社より医療機器部門と特殊管部門が独立し、「株式会社医理学研究所」として発足しました。1976年に社名を「アロカ株式会社」に改称したのち、2011年に株式会社日立メディコによる株式公開買付けにより完全子会社となり、社名を「日立アロカメディカル株式会社」に改称しました。2016年に会社分割し、放射線測定装置事業が「株式会社日立製作所」に継承されたのち、2022年に日立製作所から新会社「日本レイテック株式会社」に譲渡し、事業を開始しました。2024年に社名を「アロカ株式会社」に改称し、現在に至ります。
アロカ株式会社は、放射線測定装置の専業メーカーとして、製品開発・生産・販売・保守サービスを一貫した体制の下で行っています。主な製品には、放射線管理総合システム、環境放射線監視システム、サーベイメータ、個人被ばく線量計、放射能測定装置、液体シンチレーションシステムなどがあります。放射線測定装置の自社開発の歴史は古く、1954年にGM管測定装置を製品化して以来、1989年に半導体検出器を採用した国内初の個人被ばく線量計マイドーズミニシリーズを製品化するなど、パイオニアとして進化を続けた技術とノウハウにより、主力製品の多くは国内トップクラスのポジションを確立しています。「見えない放射線を、見えるようにする」を合言葉に、経営理念である「信頼される放射線測定技術で、人や社会に安心を提供する」をコンセプトに、社会の安心や安全をつくる企業となり社会的責任を果たしています。
『新型の個人線量計PDM-700シリーズ』の開発経緯とは?
--今回開発された製品の概要と、製品化の背景についてお聞かせください。

技術本部 AS技術部 技術一課 技師
冨澤様:
我々アロカは放射線測定装置の専業メーカーとして、開発から保守サービスまでを一貫して行っています。今回Bluetoothを搭載した『マイドーズミニ PDM-700シリーズ』は「個人線量計」と呼ばれるもので、放射線を扱う現場で働く方々が身につけ、どのくらい被ばくしたかを測定するための機器です。 この事業の歴史は長く、1980年代からスタートしています。40年近くにわたり現場の安全を支える非常に息の長い製品群でもあります。

技術本部 AS技術部 技術二課 技師
沢畑様:
初めて見る方にはどれも同じように見えるかもしれませんが、実は測りたい放射線の種類によって、本体の色が4色に分かれています。
- グレー(γ線用):
アラーム機能が付いたモデルで、電力会社、自治体、分析企業、大学、病院、除染関連企業など、放射線管理区域の現場で、最も一般的に使われます。 - 紫(X線用):
病院の診療放射線技師など、医療用X線による被ばく線量管理に適した医療現場向けのモデルです。 - 白(中性子線用):
加速器を所有するなどの特殊な研究施設で使われる、非常に専門性の高いモデルです。 - 緑(γ線用高感度):
グレー(γ線用)の上位モデルで、より微量な自然放射線レベルまで精密に測りたい場合に適したモデルです。
これらを使用することで、業務の安全を数値で守っています。


技術本部 AS技術部 部長
谷野様:
従来製品では赤外線通信を使用しており、データを送るためにはパソコンなどにUSBで接続した専用の置き台をセットしなければなりませんでした。赤外線通信というのは、どうしても通信ポート同士の『目と目を合わせる』ようなシビアな調整が必要で、これが現場では少し面倒だという課題があったんです。
また、時代の流れで赤外線通信自体をなかなか見かけなくなり、部品の製造中止も増えてきました。将来的な供給の安定性も考えて、別の通信方式に切り替えるべきだという判断もありました。そこで、今の時代に最も一般的で普及しているBluetoothが最適だろうと考え、選択に至りました。
冨澤様:
現在は、自治体や医療現場での活用はもちろんですが、よりスマートでリアルタイムな被ばく線量管理を求める大学や研究施設からも反響を頂いています。Bluetoothを搭載したことによってデータ管理の利便性があがり、より社会に大きく貢献できるものだと確信しています。


初めてのBluetooth認証も専門家にお任せで安心
ーームセンコネクトの『Bluetooth認証登録代行サービス』をご検討いただいた経緯や、正式にご依頼いただいた決め手について教えてください。
冨澤様:
開発を進めていく中で、製品を世に出すためにはBluetooth認証を避けて通れないということがわかりました。当初は自分たちで調べることも考えましたが、最終的には専門家にお任せすることでプロジェクトがスムーズに進みますし、リスクヘッジになると判断しました。
沢畑様:
そうですね。Bluetooth全般の専門的な知識を持っているプロから、どのようなプロセスで認証を進めればいいのか直接教えてもらえる安心感は大きかったです。専門家からの「後押し」をもらえることで、後々困るような事態を防げると考えました。
谷野様:
実際にムセンコネクトさんを紹介していただいてからは、すぐにお願いすることを決めました。コストはかかっても、専門知識に基づいたスピーディーな対応を優先した結果、非常に助かりました。

ーー実際に認証代行サービスをご利用いただいて、特に良かった点やご感想があればお聞かせください。
谷野様:
私たちが抱えていた細かな「困りごと」に対して、一つひとつ親切に回答してくださったのが印象的です。特にBluetooth認証を取得することを前提としたモジュールの選定段階から相談に乗ってもらえたことで不明点がクリアになりましたし、認証の実務においてもやり取りで困るようなことはありませんでした。
冨澤様:
Bluetooth認証以外の事務手続きのフォローも心強かったです。Bluetooth SIGのメンバー会員の引継ぎなど、少し特殊な手続きが必要な場面でも相談に乗っていただきました。
沢畑様:
私自身の役割面でも、非常に大きなメリットがありました。本来、私が実務担当者として認証周りの作業も負う必要があったのですが、冨澤とムセンコネクトさんのやり取りの中ですべて完結してくださったんです。私のところに実務タスクが降りてくることがなかったため、本来注力すべきアプリ開発に専念することができました。
お客様のご要望に適した製品を提案し続けるために
ーー最後に貴社の事業、製品について今後の展望を教えてください。
冨澤様:
本製品は「個人被ばく線量を測る」という、働く方々の安心・安全に直結するものです。今後も適切な被ばく線量管理ができるよう、現場のニーズに合わせた必要な機能や性能をさらに盛り込み、製品を発展させることで社会に貢献し続けていきたいと考えています。

谷野様:
以前よりも、お客様の声をよりタイムリーに製品へ反映できる身軽な組織になりました。今後は、その機動力を活かしてお客様の求めるものをより深く追求し、共に新しいものづくりに挑戦していきたいですね。

沢畑様:
今回Bluetoothを搭載したことで、利便性は格段に向上しました。しかし、これで終わりだとは思っていません。たとえば、1年に1回お客様から製品をお預かりする「点検・校正サービス」においても、Bluetoothを活用した全自動のアプリがあれば、お返しするまでの時間をさらに短縮でき、我々の工数も削減できます。
製品を売って終わりにするのではなく、点検・校正や運用のフェーズまで含めた「一歩二歩先」の自動化・効率化を追求し、放射線管理の現場をよりスマートに変えていきたい。それが今の私たちの目標です。

インタビューを終えて
インタビューを通して、アロカ様が提供しているのは単なる「測定器」ではなく、その先にある「人々の安心・安全」なのだと強く感じました。
筆者の余談になりますが、小学生の頃に東日本大震災を経験し、放射線測定器を手にしたことがあります。当時は仕組みこそわかりませんでしたが、持っているだけでどこか安心感があったことを覚えています。70年以上現場を支えてきたアロカ様の歴史に触れ、あの時の安心感こそが積み上げられてきた信頼の証なのだと改めて実感しました。
伝統を大切にしながらも、さらに良い製品を求めてBluetooth化へ移行する柔軟な姿勢には、専業メーカーとしての誠実な情熱を感じます。特に、社内の機動力を活かして点検・構成業務の自動化など「一歩先の便利さ」を追求するスピード感は、アロカ様の大きな魅力であると感じました。
アロカ様の新しい挑戦を認証代行業務を通してサポートさせて頂けたことを大変光栄に思います。アロカ株式会社の今後益々のご発展を、心より応援しております。貴重なお話をありがとうございました。
