【 無線化講座が「本」になりました 】ムセンコネクト著書『Bluetooth無線化講座』出版決定

【ポイント解説】Bluetooth東京セミナー2022速報まとめ

2022年12月3日に開催された「Bluetooth東京セミナー2022 」イベント速報をお届けします。今回は過去2回のセミナー内容と重複する部分が多かったため、ポイントを絞って解説します。Bluetoothに関する最新情報が皆さまの無線化開発のヒントになれば幸いです。

目次

Bluetooth (continued) /Bluetooth SIG

スタートはBluetooth SIG最高マーケティング責任者のケン・コルダップ氏による講演。

例年紹介されているコミュニティ(メンバー企業数)の増加データに加え、今年はBluetooth製品の出荷台数はWi-Fi製品よりも多いというデータを紹介。

さらに今年はBluetoothの新ブランドとして『AURACAST(オーラキャスト)』をリリース。注目の新機能であるLE Audioをさらに盛り上げる要素として期待しているとのこと。

【ポイント解説①】今後の機能強化についての言及

今後の機能追加に関しては大きく4つのテーマを紹介。今後のバージョンアップに伴い『レスポンスを伴う定期的な広告』『高精度距離測定』『高いデータスループット』『高周波数帯でのLE』などの機能追加が検討されているようです。

Bluetooth LE Audio ~ ついに規格化完了!次世代のBluetooth Audio/ソニー株式会社

Bluetooth Audioと言えば、ソニーの関氏。今年も関氏からLE Audioの概要やアップデートについての講演。

昨年からのアップデートとして、2022年7月12日、Bluetooth SIGからのプレス発表でLE Audioの全ての仕様策定が完了したことを報告。

今後のLE Audioの進化として『ゲーム機器への応用展開』も検討されており、遅延時間を30ms以下まで低減することが目標とのこと。

【ポイント解説②】AURACASTに関する情報

最後のQ&Aセッションでは、AURACASTブランドに関する要件やビジネスの仕方についての質問がみられました。関氏からも回答がありましたが、Bluetooth SIGのWEBサイトにはAURACASTに関する開発者向けのページも用意されています。

ちなみに、トレードマークの利用方法については改版されたブランドガイドをご確認いただくのがおススメです。

EFR32MG24を用いた高精度Bluetooth測距に関して/シリコン・ラボ

『電波の位相を使った測距技術』のテーマでシリコン・ラボ岡田氏が登壇。

まずは、従来までのRSSIを利用した測距技術の課題についておさらい。

報告されたデータによると、シリコン・ラボが今回製品に採用したRTP(Round Trip Phase)ベースの測距精度は、RSSIと比較して、精度と信頼性が大幅に向上している模様。

【ポイント解説③】高精度Bluetooth測距対応SoC『EFR32MG24』

高精度Bluetooth測距が可能なSoCとして『EFR32MG24』が紹介されました。現在、評価キットも提供中です。おそらくシリコン・ラボ独自のアルゴリズムが含まれているものと弊社では予想しており、とても興味深い製品だと感じました。

LE Audioが実現するワイヤレス・オーディオの新たなユースケース/ノルディック・セミコンダクター株式会社

続いて、ノルディック・セミコンダクターの山崎氏が登壇。Bluetooth Audioの歴史から紐解き、LE Audioへの発展について言及。

【ポイント解説④】AURACASTをサポートする『nRF5340』

ノルディック・セミコンダクターからはAURACASTをサポートする『nRF5340』の紹介。すぐに試せる開発キットはもとより、『nRF Connect SDK』をはじめとしたアプリケーション類の充実度合は流石の一言です。LE Audioに興味のある方々にはチャレンジしやすい環境が整っていると感じました。

Bluetoothの技術トレンドと今後フォーカスされる領域 – Bluetoothは新規事業創造のためのDXツールです – /株式会社東芝

今年もBluetooth SIGのBoardメンバーでもある足立氏が登壇。先ほどケン・コルダップ氏の講演でも話にあがった現在策定中の仕様について解説。

これまでSIGは仕様公開前に情報のプレリリースはしてこなかったが、今回から紹介するようになったことを強調。現在、4つの主要な仕様策定プロジェクトが動いているとのこと。

【ポイント解説⑤】Working Group参加に関するメリット

足立氏は「Working Group(WG)に参加することは、顧客の困りごとを解決するだけでなく、自社のビジネスモデルを優位に導くような仕様策定ができる」と、強調していました。特に、「WG参加による技術優位性で他社よりも早く、最短で成長期にたどり着ける」と、WG参加の意義を唱えていました。

Bluetooth Meshによるデバイスネットワーク構築とBluetoothプロトコルアナライザの役割/コーンズテクノロジー株式会社

次にコーンズテクノロジーの霜多氏が登壇。Bluetooth Meshについての概要とBluetoothプロトコルアナライザについての解説。

「BluetoothプロトコルアナライザはBluetooth開発における必須ツール」であると力説。

【ポイント解説⑥】測定・試験サービスの紹介

コーンズテクノロジーでは測定機器販売のみならず、測定サービスなども提供しているそうです。無線化開発において接続性トラブルなどの悩みはつきものですが、こういったサービスを利用して解決する手段も知っておいて損はないと思いました。

BQTFにおけるBluetooth製品の認証試験と認証フローの紹介/アリオン株式会社

最後は、日本のBQTF(Bluetooth Qualification Test Facility)の一社であるアリオンの田中氏が登壇。Bluetooth認証に必要なRF/RF-PHY試験、プロファイル試験についての解説とBluetooth認証フローについて解説。

アリオンはBluetooth SIGよりBQTFとして認定を受けた認証機関であり、国内で認定を受けているのはアリオンを含めて4社のみ。

【ポイント解説⑦】Bluetooth認証フローについて

Bluetooth認証フローでは試験プロセスと製品登録プロセスの2つに分かれており、最終製品に認証済みのEnd ProductやSubsystem Productを採用することで試験プロセスを免除、あるいは試験項目の軽減が可能です。

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