【 無線化講座が「本」になりました 】ムセンコネクト著書『Bluetooth無線化講座』出版決定

技適はどう取得すれば良い?海外無線機器の販売開始をスピードアップさせるシンプルな解決法

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら

本テーマは動画解説をメインとしておりますが、テキストでの解説もご用意しております。
視聴が難しい方は本ページをスクロールしてご覧ください。

今回は通称「技適」と呼ばれる「技術基準適合証明(日本電波法、以下技適)」がテーマです。

海外で製造したBluetoothスピーカーやワイヤレスイヤホンなど、あらゆるBluetooth機器を日本国内で販売するために輸入したり、これから海外でのモノづくりを検討されている方々から、技適に関するお問い合わせが増えております。

そこで日本国内でBluetooth機器を販売するための必要条件である「技適(日本電波法)」の取得方法について、意外と知られていないシンプルな解決法を解説します。

目次

お問合せが多いお客様の状況

アパレルメーカーの場合

ムセンコネクトに寄せられた実際のご相談事例をご紹介します。

「これから、中国で製造したBluetooth機器を自社ブランドで販売しようとしているが、適切かつ迅速に技適を取得する必要がありそうです。どうすればよいですか?」

アパレルメーカーA社様に状況を確認すると、中国の製造工場で作られたBluetooth搭載ウェアラブル機器を日本に輸入し、自社ブランドの最終製品として販売を予定しているとのことでした。

ここで課題となるのが、このご相談事例でも該当していたように、中国で製造されたBluetooth機器の場合、搭載されるBluetoothモジュールも中国製で技適未取得のケースが多いことです。

意外と知られていない、技適取得の現実

技適には大きく2パターンの取得方法がある

技適には申請者の目的に応じて2通りの審査方法があり、『技術基準適合証明』と『工事設計認証』の大きく二つに分かれます。どちらの方法でも審査に合格すれば技術基準に適合していることが証明でき、「電波法を取得した」とみなすことが可能です。

『技術基準適合証明』は主に試作品や展示会などの限定的な用途で認証が必要になる場合に取得します。

一方、『工事設計認証』は量産品に対して認証が必要になる場合に取得します。但し、『技術基準適合証明』に比べ申請資料が多く、認証取得が大変です。

そして意外と知られていないことが『メーカーではない第3者が、技適を取得することは基本的には不可能』ということです。先ほど説明した申請資料の中には、製造元(製造工場)でなければ準備できないような技術資料も含まれているため、製造元の協力なしでは申請することも到底ままなりません。そのため、取得期間についても多くの時間を要してしまいます。

申請資料一例

  • 機器概要説明
  • 無線設備系統図(ブロック図)
  • 部品配置図/部品リスト
  • 寸法入り外観図(写真)
  • 内部写真
  • アンテナ資料
  • ラベル図、ラベル配置図
  • 容易に開けることが出来ない構造説明
  • 電圧安定化説明(※) etc.
    ※工事設計認証のみ必要

技適取得のシンプルな解決法

技適取得済みBluetoothモジュールを搭載することで技適取得を省略

では、技適を取得するためにはどうすればよいか?

そのシンプルな解決法は「技適取得済みのBluetoothモジュールを搭載する」ということです。

技適取得済みのBluetoothモジュールを、その認証条件(設計条件等)から変更を加えずに最終製品に組み込んだ場合は、最終製品の再試験/認証は免除され、かつ、総務省への届出も不要となるため大幅に費用を抑えることが可能です。さらに、エンドユーザーへの情報開示のため、Bluetoothモジュールの認証番号を自主的に最終製品上へ表示したり、マニュアルへ記載することも可能です。

なぜ技適取得が省略できるの?

日本電波法には「Bluetoothモジュールでの認証制度」というものは存在しませんが、『無線通信設備と見なせる仕様・構造であれば、Bluetoothモジュール単体で無線通信設備として認証が可能』というのが総務省のスタンスだからです。

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