【 無線化講座が「本」になりました 】ムセンコネクト著書『Bluetooth無線化講座』出版決定

Bluetooth SIGとは?

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら

本テーマは動画解説をメインとしておりますが、テキストでの解説もご用意しております。
視聴が難しい方は本ページをスクロールしてご覧ください。

今回はBluetooth規格を支える組織であるBluetooth SIGをテーマに解説します。

目次

Bluetooth SIGとは?

Bluetooth SIG(Special Interest Groupの略)は、Bluetoothの仕様策定・仕様書作成、相互運用性の推進、認知拡大、ブランド成長など、無線通信技術の標準化と推進を行う非営利組織です。

もともとBluetoothはエリクソン社の社内プロジェクトとして開発がスタートしたテクノロジーです。その後、1998年に通信業界、およびコンピュータ業界大手5社(IBM/インテル/エリクソン/東芝/Nokia)によりBluetooth SIGが設立されました。

Bluetooth SIGメンバー(会員)数の推移

2022年には世界中で38,000社を超える企業がBluetooth SIGに加盟しています。

地域別でみても、加盟企業は世界全体に広がっており、会員数の増加がBluetoothの普及スピードをさらに加速させる一因にもなっています。

Bluetooth認証の重要性とその件数

Bluetooth SIGはBluetooth技術の進化や標準の維持・更新に向けた取り組みとして『Bluetooth認証(通称、Bluetooth SIG認証とも呼ばれる)プロセス』に力を入れています。

他社同士のデバイスであっても難なく接続できる『相互運用性の高さ』がBluetooth通信の特長の一つですが、昔から相互接続性が高かったわけではありませんでした。

Bluetoothの黎明期は『相性問題』があり、古くからBluetoothを知るユーザーの中には「Bluetoothは他社デバイス同士では接続できないこともある」と認識する人も少なくありませんでした。しかし、今現在はそのような相性問題も少なくなり、他社デバイス同士でも接続できないという話はほとんど耳にしなくなりました。それこそがSIGがBluetooth認証プロセスに力を入れてきた賜物であり、認証プロセスの仕組みのおかげと言えます。

Bluetooth認証(製品登録)の件数は近年増加傾向

SIGの報告によると、2022年は世界全体で71,783件(一週間あたり約1,400件)ものBluetoothデバイスが製品登録されました。

このような実績の裏でBluetooth SIGは、

  • SIGのウェブサイトや動画をアップデート
  • 様々な言語対応(中国語、韓国語、日本語)などのローカライズ施策

を行ったり、Bluetooth商標を適切に使用するために

  • Bluetooth SIG会員向けに約1万点の製品を監査
  • Bluetooth SIG非会員向けに数千件の問合せ・対話を実施

を行っていると報告しています。

財務状況と資金の使途

2022年の収入は約59億円、支出は約60億円

SIGは非営利団体ということもあり、収支を見ると利益はほとんど出ていません。

収入の内訳をみると、認証関連(Declaration Fees)が全体の74%を占める大きな収益源となっています。一方、支出の内訳をみると『オペレーション』の割合が大きく、例えば、会員ユーザーからのサポート対応など、日々の運営費用に一番費用を投じられているようです。

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