【 無線化講座が「本」になりました 】ムセンコネクト著書『Bluetooth無線化講座』出版決定

【エンジニア向け】企画がブレない、新商品の作り方(1)デザイン思考の必要性とそのプロセスとは?

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。

(プロフィール紹介はこちら

「チーム内で話を進めるんだけど、いつも議論が錯綜する。。」

「新商品っていっても、何から考えればよいかはっきりしないため、考えが進まない。。」

といったエンジニアの方々も多いのではないでしょうか?

そこで今回は『【エンジニア向け】企画がブレない、新商品の作り方』というテーマで、考え方の枠組み(フレームワーク)を使いながら、複数回に分けてしっかり学んでいきたいと思います。

目次

そもそも、デザイン思考とは?

近年、『デザイン思考』『デザインシンキング』といった言葉をよく耳にするようになってきました。このデザイン思考を一言で言い表すと『デザイナーの発想法』のことであり、彼らのような思考プロセスをビジネスの現場で応用することで、新たな発想が生まれるという考え方のことです。

デザイン思考で大事なのは『デザイン』ではなく『使いやすさ』

「デザイン思考って言っても、カッコいいデザインの商品を開発をすれば良いんでしょ?」

と思ったエンジニアの方がいたら、要注意です。

本来、デザイン思考で大事なことは使って欲しいと考えているユーザーが『より使いやすいように』設計することです。ここの捉え方を間違えてはいけないことがポイントです。それではユーザーが『より使いやすいように』するためには何を意識すれば良いのでしょうか?

『使いやすさ』を捉えるためにはUI/UXが重要

それはユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)の両方が重要です。

UIとは、商品そのものをユーザーが使った際の入力画面やアプリケーションの仕組みのことです。近年では、様々な場面でデジタル化が進み、アプリやインターネット上でのサービスが発展した影響で、UIを意識した商品づくりに重きが置かれる場面が増えました。また、UIと並んで大事なのがUX。これは、ユーザーが商品を利用することによって得られる体験のことです。

このUI/UXを商品企画段階から考えなければ、良い商品・良いサービスは生まれてきません。もし、カッコいいデザインを中心に考えていると『見た目は良いけど、使いにくい商品』を作ってしまうリスクがあるからです。

『コスト』『技術的優位性』からアイデアを練りがちなエンジニアの皆さまへ

「商品企画はUI/UXから、まずは考える。」

無線化、無線機器開発のご相談を頂いた際に私自身が強く感じており、上記を意外に意識していないエンジニアの方々が多くいらっしゃるなと感じています。では皆さん、何から議論しているのか?

それは、具体的なユーザーのニーズ(困りごとや解決策を欲している部分)を深く議論できていない段階で、「コストを抑える方法は何か?」「商品の性能を高めるにはどうすれば良いか?」と言った戦術レベルの議論になりがちです。論理的に物事を考えることが得意なエンジニアだからこそ、陥りやすいパターンです。是非、この講座をご覧になって頂いたエンジニアの方々については、商品企画の際の最初は決まって「ユーザーの困りごとは何で、どうしたら困りごとを解決できるんだろう?」と議論を始めてほしいと思います。

デザイン思考のプロセス

では、なぜデザイン思考の必要性が高まってきているのでしょうか?

それは昨今、『モノづくりではなく、コトづくり』といった言葉に代表されるような、ユーザー体験が重視され始め、無線を活用した新しい商品づくりを手がけるエンジニアの方々におかれてもUI/UXを意識した商品づくりが求められる時代になってきているからです。

要は、商品とサービスが一体となった設計づくりが重要視され始めています。

ビジネスでの成功確率の高さは、これまでの『モノづくり』をしっかりやって高品質な商品が勝っていた時代から、『デザイン思考でつくるモノづくり』によって生み出された商品が勝つ時代へシフトしてきていると感じています。

最後は、デザイン思考のためのプロセスの概要を簡単にご説明して終わりにします。

一言で言えば、「ユーザーの共感部分(STEP1)から本質的な課題を見つけ出し(STEP2)、アイデアを具現化しながら(STEP3)試作をつくって(STEP4)、評価をすること(STEP5)」です。

最初に行うべきSTEP1の、ユーザーが共感できるニーズ部分を明確に捉えるためには『ユーザーにヒアリングすること』が一番です。仮に、ユーザーのニーズをぼんやり捉えたまま進めてしまうと、取り組む価値の低いニーズに対してアイデアを練っていくことで無駄な時間を費やしてしまいます。一方、ユーザーヒアリングには以下のようなメリットもあります。

  • 成果に繋がりやすく、成功確率が上がる
  • 一人ひとりでは決して出てこない、考えてもいなかったアイデアが生まれる
  • 関係者との認識がズレないため、効率的に議論が進められる

まとめ

今回はデザイン思考とそのプロセスの概要について学びました。エンジニアという立場においても、ユーザーがより使いやすい商品づくりの考え方が求められており、その際一番最初に行うべきことはユーザーへのヒアリングです。次回はこの一番最初のSTEPである『共感→課題発見』の部分を導くフレームワークをもとに学んでいきたいと思います。

よろしければシェアをお願いします
目次