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【エンジニア向け】企画がブレない、新商品の作り方(4)アイデアを具現化する方法

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。

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前回までSTEP1の共感、STEP2の課題発見に関するSTEPまでを学んできました。

今回は最終回として、アイデアを具現化するためにSTEP3で活用するフレームワークについて学んでいきたいと思います。

アイデアを具現化するためのフレームワーク『ビジネスモデルキャンバス』

STEP2までの課題発見をバリュープロポジションキャンバスを活用しまとめる段階まできましたが、更にそれをベースにアイデアを具現化していく際に活用するのがこの『ビジネスモデルキャンバス(BMC)』です。

BMCとは何か?

BMCを一言で説明すると『アイデアをビジネスモデルの構造としてビジュアル化することで、全体の要素と各要素間の関係性を捉えるためのフレームワーク』です。

BMCの概要

BMCの使い方

使い方はそれぞれの欄を順番毎に埋めていきます。その順番は

  1. 顧客セグメント
  2. 価値提案
  3. チャネル
  4. 顧客との関係
  5. 収益の流れ
  6. キーリソース
  7. 主要活動
  8. キーパートナー
  9. コスト構造

といった流れになります。

1⃣顧客セグメント

まず最初にやらなくてはいけないのが『顧客セグメント』の欄です。

ここは簡単です。この欄はSTEP2で既に考えていた『顧客プロファイル』の部分に該当します、主要な顧客のセグメント(かたまり)を表す要素としてそのまま欄を埋めてみましょう。

例)LINBLE-Z1の顧客プロファイル

  • 中堅・中小企業の産業機器メーカーエンジニア
  • 元々無線化に関するノウハウが少ない
  • できるだけトータルの開発費を抑え、自社製品の無線化を実現したい

2⃣価値提案

次に取り組みのは『価値提案』の設定です。

ここは前回STEP2で考えた左側部分に該当するため、すぐに埋めることができると思います。顧客が、なぜ競合企業の商品ではなく、自社の商品を選ぶのかという理由となる価値を記載します。

例)LINBLE-Z1の価値提案

「お客様の製品に組み込むことでカンタンにBLE通信を実現できるBLEモジュールを提供する」

3⃣チャネル

一番最初に埋めた『顧客セグメント』に対して自社が提供できる価値を「どのように届けるのか?」を定義します。顧客へ商品を販売、アフターサービスを提供する要素を記載します。

例えばオンライン上のECサイトなのか、オフライン上の小売店なのか、といったような自社と顧客をつなぐタッチポイントとしてどんなチャネルが選択できるかを意識して欄を埋めてみてください。

例)LINBLE-Z1のチャネル

  • インターネット販売
  • 直販/代理店経由両方対応
  • オンラインでの迅速なカスタマーサポート

4⃣顧客との関係

一番最初に埋めた『顧客セグメント』に対して、自社が顧客と「どうやって関係をつくるのか?」を定義します。

例えば新規顧客との関係性構築の方法や、既存顧客との継続した関係性を構築する方法としてアップセル(注1)/クロスセル(注2)等の状況を意識して考えることが求められます。

(注1):現在利用している商品やサービスの、より上位モデルをご購入頂くこと

(注2):現在利用している商品やサービスに追加して、別の商品やサービスをご購入頂くこと

例)LINBLE-Z1の顧客との関係

  • 無料カウンセリング
  • 手厚いカスタマーサポート
  • Bluetooth認証取得支援優遇サービス

5⃣収益の流れ

一番最初に埋めた『顧客セグメント』から自社がお代を頂く際のお金(売上)の流れを定義します。どのように、どれくらいの売上があがるのかを記載します。

ビジネスモデルによっては直接お客様から代金を頂かない場合もあり、収益の発生源及びその流れを明記することで整理をする欄になります。

例)LINBLE-Z1の収益の流れ

  • 公開価格表に応じた定価販売
  • 大量ロットによる低価格販売

6⃣キーリソース

この欄では自社がビジネスモデルを行っていく上で必要な資産・資源を定義します。価値提案を提供するために必要となるリソースを記載します。

ハードに当たる工場や機器類から、ソフトである人材以外にも商標や特許等の知的財産、事業資金等もここの『キーリソース』で明確にしておく必要があります。

例)LINBLE-Z1のキーリソース

  • 即納を実現する物流体制
  • 専門知識やノウハウを持ったメンバー陣

7⃣主要行動

この欄には自社がこのビジネスモデルを行っていくにあたり、価値提案を提供するための主要な必要行動を定義します。

メーカーであれば製造・販売、Slerであれば受託開発、小売販売業であれば仕入(輸入)・販売などを記載します。

例)LINBLE-Z1の主要行動

  • 産業向けに不可欠な長期供給・互換性の維持
  • 1個から購入可能、小ロット・即納対応
  • 迅速レスポンスと手厚いサポート

8⃣キーパートナー

ビジネスモデルを構築する際のサプライチェーン上にいる川上のサプライヤーや、周辺のパートナー企業とのネットワークを定義します。自社だけではまかないきれない主要活動やリソースを提供してくれるパートナーを記載します。

協力パートナーとのアライアンス等を組むことで自社の事業環境上非常に有利な活動が行えるようにもなるため、ビジネスモデル成功の確度を上げる上で重要な欄になります。

例)LINBLE-Z1のキーパートナー

  • 関係会社による開発協力パートナー体制
  • 第三者認証機関とのパートナー体制
  • Bluetooth SIG(SIG公認Bluetooth® Qualification Consultant取得)

9⃣コスト構造

最後の欄は本ビジネスモデルを実行するにあたって生じるコストを定義します。主要活動、リソースにかかる費用、キーパートナーへの支払いなどが入ります。

それによって5⃣売上-9⃣コストの差分が利益となります。

例)LINBLE-Z1のコスト構造

  • 製品原価
  • 販促費
  • 研究開発費

まとめ

今回はアイデアを具現化していく際に利用したいフレームワークとして、BMCについて学びました。フレームワークの順番と、その中身について解説しましたが、STEP2で実施した内容も活用しながら全9個の項目それぞれに対して明確に整理することが求められます。これによって商品化前の試作を行うまでに具体的なビジネスモデルを組み上げることができ、かつ、それ以降のSTEPがより効果的になります。全ての皆さまが素晴らしい新商品がつくれることを願っております!

水野 剛
この記事を書いた人
筑波大学大学院修了。AGC、ユニクロ、freeeを経て、デバイスと無線通信をひとつにするつなぎ役としてどんなメーカーでも無線化を実現できる世界をつくりたいという想いで株式会社ムセンコネクトを創業。Bluetooth SIG公認 Bluetooth® Qualification Consultant の資格保有。株式会社イーアールアイの取締役を兼任。
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