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nRF Connect SDK(NCS)で動かすNordic nRF5340モジュール開発キットの使い方③評価ボードへの書き込みと動作確認編

こんにちは、ムセンコネクトの蟹沢です。

前回、前々回に引き続き、Nordic nRF5340モジュールの開発キットの使い方について解説していきます。

最終回となる第3回目は評価ボードへの書き込みと動作確認について解説します。

目次

評価ボードへの書き込み

EB5340BA1-EVB評価ボードへの書き込みは、DebugとFlashの2通りの手順を説明します。

書き込みに必要なツール一式

EB5340BA1-EVB評価ボードに書き込む際は、ミニUSBケーブルとJ-Linkが必要です。

書き込み時の接続

デバイスの接続

ミニUSBケーブルとJ-LinkをPCに接続します。

接続前のVS Codeでは、CONNECTED DEVICESの欄にはNo devices found.と表示されています。

デバイスの接続①

パソコンにミニUSBケーブルとJ-Linkを接続すると、J-Linkのデバイスが表示されます。

なお、評価ボードは、青色LEDが点灯します。

デバイスの接続②
PCに接続時の評価ボード

評価ボードへの書き込み手順(Debug)

Debugでの書き込みは、ACTIONSのDebugを押下します。

評価ボードへの書き込み(Debug)①

Debugを実行すると、評価ボードへの書き込みが始まります。

評価ボードへの書き込み(Debug)②

評価ボードへの書き込みが終了すると、デバッガが起動します。

評価ボードへの書き込み(Debug)③

実行ボタン(三角マーク)を押下すると、評価ボードへ書き込んだプログラムが実行されます。

評価ボードへの書き込み(Debug)④

評価ボードへの書き込み手順(Flash)

Flashでの書き込みは、ACTIONSのFlashを押下します。

評価ボードへの書き込み(Flash)①

Flashを実行すると、評価ボードへの書き込みが始まります。

Flashで書き込み後は、リセットボタン(基板上のSW1:RESET)を押下すると、評価ボードへ書き込んだプログラムが実行されます。

評価ボードへの書き込み(Flash)②

Flash動作でエラーが発生する場合

Flash操作が動作しない場合は、nRF5340のネットワークコアとアプリケーションコアのリカバリ操作を実行します。

VS Code右上のToggle Panelを押下して、TERMINALを表示します。

コマンドによるリカバリ操作①

リカバリ操作のコマンドはネットワークコアとアプリケーションコア両方に対して実行します。

ネットワークコアに対してのリカバリ操作コマンド

nrfjprog --coprocessor CP_NETWORK --recover
コマンドによるリカバリ操作②

アプリケーションコアに対してのリカバリコマンド

nrfjprog --coprocessor CP_APPLICATION --recover
コマンドによるリカバリ操作③

リカバリ操作を行った後にFlash操作を行うと、書き込みができます。

コマンドによるリカバリ操作④

動作確認

作成したBLE UART serviceの動作確認では、PCとシリアル通信を行うため、シリアル通信ソフト(ターミナルソフト)が必要となります。また、BLE通信を行うために、スマートフォンとBLE通信アプリが必要です。

今回は、以下の機器、アプリを用いて動作確認を行います。

PCとのシリアル通信ソフト(ターミナルソフト)

Tera Term

Tera Termのインストールは、検索サイトから「Tera Term」で検索し、ダウンロード、及びインストールを行ってください。

スマートフォン

Pixel5(AndroidOS 13)

BLE通信アプリ

Android向け『nRF Connect for Mobile』

Google Playから「nordic」で検索すると、nRF Connect for Mobileが表示されます。

nRF Connect for Mobileアプリ

Tera Termの設定

Tera Termの設定は、設定->シリアルポートを選択し、以下の設定にしてください。なお、ポートは評価ボードのCOM番号を選択してください。

Tera Termの設定画面

Androidアプリ

nRF Connect for Mobileを起動します。

nRF Connect for Mobileアプリの起動画面

nRF Connect for Mobileアプリを起動すると、自動でスキャンが開始されます。スキャンが開始されない場合は、右上のSCANをタップすることでスキャンが開始されます。

以下の画面のように、”Nordic_UART_Service”というデバイスネームが表示されます。なお、周辺にBLEデバイスが多い場合は、フィルタ設定でUARTと入力するとフィルタリングされます。

nRF Connect for Mobileアプリのスキャン画面

CONNECTをタップすると、評価ボードと接続を開始します。

nRF Connect for Mobileアプリの接続完了画面

評価ボードからのデータ送信

評価ボードから、Android端末側へデータを送信する場合の手順を説明します。

Android端末側でデータを受信するための設定を行います。TX Characteristicの矢印が3本表示されている箇所をタップし、Android端末側でデータ受信できる状態にします。

nRF Connect for Mobileアプリの受信設定①
nRF Connect for Mobileアプリの受信設定②

Tera Termから”1234”と入力してエンターキーを押下します。

評価ボードからデータ送信①

評価ボードから送信されたデータがAndroid端末へ通知されると、以下の画面のようになります。改行コードを含んだデータがアプリ側に表示されます。

評価ボードからデータ送信②

評価ボードへのデータ送信

Android端末から、評価ボード側へデータを送信する場合の手順を説明します。RX Characteristicの上矢印の箇所をタップすると、Write valueダイアログが表示されます。

Android端末からデータ送信①

TEXT(UTF-8)を選択して、5678と入力し、SEND箇所をタップします。

Android端末からデータ送信②
Android端末からデータ送信③

Android端末からデータを受信すると、Tera Termの画面に”5678″と表示されます。

Android端末からデータ送信④

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Nordic nRF5340モジュール開発キットの解説は以上です。

ムセンコネクトではNordic BLEモジュールを採用しているLINBLEシリーズの他にも、受託開発や研究開発など、Nordic BLEモジュールを扱った開発案件を多数手掛けています。

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