【 無線化講座が「本」になりました 】ムセンコネクト著書『Bluetooth無線化講座』出版決定

IoT化・無線化をイチから考える(1)IoTシステムの2大構成

最近はあまり聞かなくなりましたが、ちょっと前はよくお客さんにこんな相談を受けることがありました。

「上司から『IoT(Internet of Things、読み方:アイオーティー)化を考えろ』と言われたんだけど、何をすれば良いのでしょうか。」

ニュースや雑誌等で頻繁に「IoT」が取り上げられるようになり、他社に乗り遅れまいと「IoT化」をするように会社から投げかけられたようです。

お客さんの製品にもよるので十把一絡げには出来ませんが、上司の漠然とした期待には 大きく2つの意味があると思います。

①製品からデータを吸い上げてスマートフォン等で見えるようにしたい。

②その結果、今までなかった新しいビジネスに広げたい。イノベーションを起こしたい。

②は後日詳しくお話しをしたいと思いますが、IoTに期待される理想的な結果のことを言っているものです。実現するためには、今までになかったようなプロセスの進め方、他業種とのつながり、天才的なヒラメキが必要になります。

対して、①は製品やシステムの『機能』の話なので、今まで経験がなかったとしてもお金と時間があればやれない話ではありません。今までスタンドアロンで動いていた機器であれば通信機能を付加して、データを送信する仕組み、それを受信するスマートフォンやクラウドを用意し画面上に可視化する仕組みを作ることになります。

現状スタンドアロンで動いている製品で考えてみましょう。

例えばですが、この製品のINPUTは操作スイッチとセンサ、OUTPUTは製品自体のLEDなどの表示、ブザー、SDカードへの保存だけです。

ここに無線通信を追加して、リアルタイムに製品の情報をスマートフォンで見れるようにする場合、2つの構成が考えられます。

かなり簡略化した図になっていますが、1つ目は製品から直接スマートフォンへデータを送信します。スマートフォンには専用のアプリをインストールしておく必要があります。スマートフォンのアプリはデータを受信した後、そのままグラフなどの見える化表示をすることができます。

製品からスマートフォンへの通信は、スマートフォンと親和性の高い通信であるBLEやWi-Fiを利用することになります。

かっこ書きをしていますが、更にスマートフォンからクラウドへデータを蓄積することでビッグデータ化することが出来ます。

2つ目の図では、クラウドにデータを蓄積し、クラウドで分析した結果をスマートフォンで表示しています。この場合、スマートフォンはクラウドの情報を表示しているだけなので、アプリをインストールしなくてもブラウザを利用してグラフなどの見える化表示をすることができます。

クラウドまでデータを送信するには、Sigfoxや3G/4Gなどの基地局を介して直接インターネット回線へ送信できる通信を利用する方法と、BLEやWi-Fi、LoRaなどのゲートウェイを介してインターネット回線に送信する方法とがあります。

それぞれの構成の特徴や通信方式について、また次回詳しくお伝えしていきたいと思います。

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