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【技術検証】有機薄膜太陽電池(OPV)×BLE通信|山形大学INOELとIoT実験

こんにちは。ムセンコネクト三浦です。

今回は、山形大学で有機薄膜太陽電池の研究をされている佐野健志教授、奥山豊研究員のご協力のもと、最新の「有機薄膜太陽電池(OPV)」をお借りすることができました。

実際にこの太陽電池を用いて、「発電」→「蓄電」→「センシング」→「無線送信(Bluetooth LE)」という、バッテリーレスIoTデバイスの一連の動作を検証しましたので、その様子をレポートします。

今回の実験は佐野教授と奥山研究員が所属されている「山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター(通称:INOEL)」とのコラボ実験です。 ※INOELについての紹介は後述。

目次

有機薄膜太陽電池(OPV)とは?

現在、太陽電池は大きく分けて「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3種類があります。
屋根に乗っている太陽光パネルなど、現在最も広く使われているのは「シリコン系」ですが、近年、次世代の技術として研究が進んでいるのが「有機系」の太陽電池です。

今回使用する有機薄膜太陽電池(OPV:Organic Photovoltaics)は、一言で言うと「電気を通すプラスチック系の材料(有機物)を塗って作った太陽電池」です。 薄いフィルムの上に、インク状の材料を印刷して(塗って)作られます。

シリコン系と比較して、以下の大きな特徴があります。

  • 【室内光に強い】蛍光灯やLEDなどの弱い光でも効率よく発電できる
  • 【フレキシブル】薄くて軽量、曲げることができる
  • 【デザイン性】半透明にしたり色を付けたりできる

これらの特徴から、窓ガラスや室内の壁、モバイル機器など、これまでの太陽電池では難しかった場所での利用が期待されています。

(画像:山形大学 佐野教授提供)

有機薄膜太陽電池の検証

お借りした有機薄膜太陽電池

今回、佐野教授からお借りしたOPVモジュールは以下のようなものです。

外観

スペック(開発中)

モジュール外形90×56mm t=4 mm
OPVパネル外形50mm✕50mm t=1.5mm
発電エリア(アクティブエリア)14.5cm2
短絡電流密度jsc1.23 mA/cm2
開放電圧Vcc3.66 V
最大出力電力Pmax1.25 mW/cm2
最大出力動作電圧Vmax1.88 V
最大出力動作電流密度Jmax0.67 mA/cm2
変換効率η1.25 %

室内光によるOPVの発電だけでBluetooth LE通信はできるか?

この太陽電池を使って、電池交換不要の無線センサーが作れるか検証しました。

まずは、OPVの特性を最大限に引き出すため、分光計器の室内光評価用LED光源「BLD-100」を利用して、太陽電池の基本特性(開放電圧など)を確認し、最適な電源回路を検討しました。

今回、環境発電の回路構成は以下のようにしました。

試作した回路基板を利用して弊社のオフィス環境(照度 約700Lux)において実際に発電を行い、Bluetooth LEによる通信を試みました。

結果として、通常のオフィス環境(約700Lux)という環境下でも、約30秒に1回程度の頻度で「センシング」と「Bluetooth LE通信」ができることを確認しました。これは、OPVが室内の微弱な光エネルギーを非常に効率よく電気に変換できていることを示しています。

約30秒に1回程度の頻度で動作できれば、温度管理や見守り用途であれば十分実用的な頻度と思います。

機器の構成・実験の様子

有機薄膜太陽電池(OPV)と環境発電+Bluetoothユニット
受信アプリ画面

受信用のアプリはオープンセンササービスの受信アプリを利用しました。

山形大学 INOELについて

今回ご協力いただいた佐野教授、奥山研究員が所属されている「山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター(通称:INOEL)」は、サステナブルエレクトロニクスの実用化研究を行う世界屈指の拠点です。

INOELの最大の特徴は、大学の研究にありがちな「シーズ(技術)ファースト」ではなく、「ニーズ(企業の要望)ファースト」のスタンスを徹底している点です。

ここでは有機太陽電池だけでなく、以下のような先進的な研究も行われています。

  • 有機EL(OLED)
  • 有機トランジスタ・センサ
  • フレキシブルハイブリッドエレクトロニクス(FHE)

これらの技術は、我々ムセンコネクトが得意とする「省電力無線通信技術」とも非常に親和性が高く、IoTの未来を広げる重要な要素です。

今後も連携を深め、業界を一緒に盛り上げていきたいと考えています。

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