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【体験メモ】技適未取得機器を用いた実験等の特例制度申請方法

こんにちは、ムセンコネクトCMOの清水です。(プロフィール紹介はこちら

今回は日本の電波法に関する特例制度のお話です

目次

技適の特例制度とは?

本来、日本国内において無線機器を使用する際は技術基準適合証明(以下、技適)の取得が必要ですが、実験・試験・調査等の目的に限り、技適未取得機器でも使用できる特例制度が設けられています。

ただし、どんな無線機器でも勝手に使って良いというわけではなく、「技適」相当の技術基準を満たしていなければならず、且つ短期間(180日以内)などの条件があります。また、総務省への届出が必要です。

Wi-FiやBluetoothなどの無線機器を使うには、原則、技適マークが必要です。
ただし、短期間の実験等のみを目的とする場合は、手続(届出)を行うことで使用できます。

https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/exp-sp/

先日、ムセンコネクトでもこの特例制度を利用する機会がありました。そこで本記事では、ムセンコネクトが実際に申請した際に残した「手順メモ」をシェアしたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

なお、下記で紹介する内容は2023年8月時点での申請手順です。
今後、手続き内容や手順が変更となる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

申請の手順は3ステップ

申請の手順は大きく3ステップです。

  1. フローチャート確認
  2. 新規ユーザー登録
  3. 開設届提出

順を追って解説します。

フローチャート確認

特例申請の手続きは総務省のウェブサイトから行います。

総務省のWeb届出システム

まずはフローチャートにて、特例制度の対象になるか確認します。

フローチャートで特例制度の対象となるか確認する

チェック項目は以下の4つです。手続きの対象となることを確認します。

  • 技適マークの有無
  • 電波に関する海外認証の有無(FCC ID、CEマークなど)
  • 無線規格・周波数帯の確認
  • 無線機器の使用目的と期間

新規ユーザー登録

フローチャートで特例手続きの対象であることが確認できたら、次は新規ユーザー登録を行います。

フローチャートの下部にある「新規ユーザー登録」ボタンを押すと表示される「利用規約」に同意し、登録画面へと進みます。

メールアドレスを入力して「ワンタイムパスワード送信」ボタンを押すと、入力したメールアドレス宛にワンタイムパスワードが届きます。

メールアドレスを入力してワンタイムパスワードを取得

届いたワンタイムパスワードを入力します。

メールに届いたワンタイムパスワードを入力

次に届出者のユーザー情報を入力します。個人 or 法人を選びます。

今回は「法人」を選択

各項目を入力します。

入力した内容を確認して送信すると、パスワード設定に進みます。

入力内容を確認

パスワードを設定します。

パスワードを設定

再度、メールにワンタイムパスワードが届くので、届いたワンタイムパスワードを入力します。

再度ワンタイムパスワードを入力

本人確認

ユーザー登録には本人確認が必要です。「電子署名(オンライン)」か「必要書類の郵送」の好きな方を選べます。

ユーザー登録完了には本人確認が必要

今回は郵送での確認を選びました。

書類郵送による本人確認

ちなみに電子署名の場合はこのような感じです。

電子署名の場合

書類郵送後、本人確認が完了すると総務省からメールが届きます。これでユーザー登録が完了です。

メールが届けば本人確認完了

開設届提出

ユーザー登録が完了したら、開設届を提出します。メール内で案内されたURLからログインします。

案内されたURLからログイン

ワンタイムパスワード入力が求められるので、メールに届いたワンタイムパスワードを入力します。

ワンタイムパスワードを入力

「開設届出」を選びます。

開設届出を選択

届出内容を入力します。

届出内容を入力

入力した内容を確認し、送信します。

入力内容を確認

これで届出は全て完了です。

届出完了

「届出一覧」に追加され、受付られていることがわかります。

届出一覧に追加

総務省から開設届出完了メールも届きます。

受付完了メールも届く

特例による実験等の終了後は廃止届出が必要

特例制度を利用した実験等が終了した際は「廃止届出」が必要です。忘れずに対応しましょう。

特例による実験等を終了し、無線局を廃止したときは、遅滞なく届出(廃止届出)を行う必要があります。(電波法第4条の2第6項)

https://exp-sp.denpa.soumu.go.jp/public/help/finishNotice_detail.html

まとめ

日本国内の公の場で無線機器を扱うためには「技適への対応」が不可欠です。従来は、たとえ開発試作中の動作テストや、試験的な導入・実験であっても技適を取得しなければなりませんでしたが、特例制度が導入されたことによって、「書類手続き」だけで手軽に無線機器を試せるようになりました(もちろん特例の条件を満たすことが大前提です)。

なんとなくハードルが高いイメージがあった特例申請も、実際に試してみればそこまで難しいものではありませんでした。安心して無線機器を扱うために、メーカーエンジニアの皆さんも、特例制度をうまく活用されると良いと思います。

なお、今回のケースでは一連の手続きが完了するまで1週間かかりませんでしたが、郵送での本人確認は多少時間を要する場合もあると思いますので、余裕をみて手続きされることをおすすめします。

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