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【解説】Bluetooth® Core 6.1登場!新機能と進化ポイントをサクッと紹介

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら

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「え、またアップデート?」「どこが変わったの?」

そんな声が聞こえてきそうですが、Bluetooth® Core 6.1が登場しました!この記事ではバージョン6.1についてサクッと解説していきます。

目次

Bluetooth Core 6.1の概要

結論から言うと、今回の「Bluetooth Core 6.1」では大きな新機能の追加はありません。言うなれば地味なアップデートです。

とはいえ、いくつかの機能が追加されています。その中でも注目したいのはプライバシー強化です。

従来、Bluetoothでは「RPA(Resolvable Private Address)」という使い捨てアドレスでユーザーの追跡を防ぐ仕組みがありました。ただ、その変更周期が「定期的」だったため、攻撃者にとっては逆に予測のヒントになってしまう懸念がありました。その対策としてこれまではスマホなどのデバイスアプリケーション層でアドレス変更のタイミングをランダム化してセキュリティを保っていましたが、そうするとその分処理の負担が増える=余計な電力消費も増える結果となっていました。

Bluetooth 6.1では、HCI層でRPAの変更タイミングをランダム化できるようになりました。これにより、アプリ側で余計な工夫をする必要がなくなり、シンプルな設計でセキュアに、そして省電力化できるようになります。

まとめると、大きな進化ではないものの、着実に小さな進化を遂げているのが、今回のBluetooth 6.1です。

こう聞くと「わざわざアップデートする必要ある?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これにはちゃんとした理由があります。

最近、Bluetoothのアップデートが多い理由

実はBluetooth SIGは2025年に入り、「Bluetoothのバージョンを一年間に2回リリースする方針に変更する」と発表しました。その方針に照らし合わせると、つい昨年にBluetooth Core 6.0が発表されたばかりですが、今回の6.1に加えて、2025年中にさらにBluetooth Core 6.2も発表されると予想されます。

では、なぜ「年2回のリリース」に変わったのか?

これまで過去10年間、Bluetooth SIGはBluetoothの主要な新機能が完成するタイミングに合わせて、およそ1年半ごとに新しいコア仕様をリリースしてきました。

これまでのやり方は、革新的なアップデートを提供する上で効果的であった一方で、一部の機能追加、機能強化、および修正がすぐにリリースできないというデメリットもありました。

Bluetooth SIGが頻繁なリリースサイクルを採用したことによって、より迅速な技術革新と継続的な改善が保証されると期待されています。

Bluetoothの「バージョン番号」=「新機能搭載」とは限らないので注意

今後は頻繁にBluetoothバージョンがアップデートしていくため、毎回革新的な機能追加が行われるとは限りません。また、以前の記事で解説したようにBluetooth認証プロセス上は「Bluetoothバージョンの要件を満たしていれば、必ずしも新機能を搭載しなくても良い」ことになっています。

つまりBluetoothバージョンは新しければ新しいほど良いというわけではなく、Bluetooth製品(組込み用モジュールなども含む)を選ぶ際は「Bluetoothバージョン」ではなく「搭載機能・スペック」で確認することが重要となります。

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