【 無線化講座が「本」になりました 】ムセンコネクト著書『Bluetooth無線化講座』出版決定

Bluetooth 5.0がドローン業界に革新を起こす!?「次の世界」

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら

本テーマは動画解説をメインとしておりますが、テキストでの解説もご用意しております。
視聴が難しい方は本ページをスクロールしてご覧ください。

今回は「ドローンとBluetooth 5.0」をテーマにしております。最近は観光地などに行くと、実際にドローンが飛んでいる所を見かけるようにもなりました。そんなドローン業界では2020年12月に大きな動きがありました。国土交通省から新たな制度の方向性が示され、そこからBluetoothが大きく関与しようとしています。

そこで今回は、ドローン業界の現状について少し皆様に解説した上で、ドローン業界が目指している「次の世界」とは?、そしてドローンとBluetooth 5.0について解説しています。

目次

ドローン業界の今と、目指している未来

ドローン業界の今は「航空法の整備」

無人航空機(ドローン)の飛行の安全を確保し、その利活用拡大を図るため、航空法ではドローンの飛行の許可・承認制度など、段階的に環境整備が進んでいます。さらに近年ドローンに関する技術の向上、物流等への利活用ニーズが高まってきています。では、実際のドローン業界の今と未来を把握するためにマトリクス図を用いて説明します。

ドローンの飛行形態マトリクス図

上記マトリクス図において、今日時点でレベル1(目視内での操縦飛行)、レベル2(自動/自律走行を含めた目視内飛行)、レベル3(無人地帯における目視外飛行)までを既に実現しています。

目指している未来は「第三者上空を飛行した荷物輸送」

そして、2022年度を目途に、現行では飛行を認めていないレベル4(有人地帯における目視外飛行)の実現を目指しています。具体的なイメージとしては第三者上空を飛行して荷物輸送等を実現している世界です。

ドローンとBluetooth 5.0

2020年12月3日、国土交通省から「無人航空機のレベル4の実現のための新たな制度の方向性について」が示された同じ日、内閣官房からは「リモートIDの導入について」が示されました。これは、今年3月に決定された「制度設計の基本方針」および今年6月に創設された「無線航空機の登録制度」を踏まえ、ドローンを遠隔から識別できるよう、登録制度の施行時からリモートID信号の発信を義務付けするといった内容でした。

リモートIDとは?

リモートIDは以下の構成から成り立っています。そして通信方式としてはBluetooth 5.0を含めた3つの方法から選択することを想定しています。

  • 発信情報
    • 登録記号
    • 製造番号
    • 位置情報(緯度・経度・高度)
    • 時刻
    • 認証情報
  • 発信周期
    • 1秒間に1回
  • 通信方式
    • Bluetooth 5.0
    • Wi-Fi Aware
    • Wi-Fi Beacon

リモートIDの仕組みとは?

リモートIDの基本設計案(概要)

基本設計案の概要を図を示します。現時点の構想では三者間(所有者等、国土交通省、航空局等)でリモートIDの情報はやりとりされます。まず始めに所有者側のスマホアプリを使用し、国土交通省側の登録システムを介して登録記号等が通知されます。これをドローンに内蔵されたチップに書き込み、Bluetooth 5.0等の通信方式を利用してリモートIDを航空局等のキャプチャ機器に発信します。リモートID情報について、場合によっては国土交通省と航空局側で所有者情報等の照会などで使用されることも検討されています。

Long Range機能を搭載したBluetooth 5.0に注目

現在、日本国内では原則150m以下の高度で飛行することが航空法により定められています。そのため、最大150mの距離で安定した通信を行うためにもBluetooth 5.0で追加されたLong Range機能の活躍が期待されます。Bluetooth 5.0のLong Range機能については以下の自社ブログでも詳しく解説しておりますので、よろしければご覧ください。

今回、Bluetooth 5.0がドローンにおけるリモートIDの通信方式の一つに選ばれました。今後、ドローン分野でもBluetoothの導入が進む可能性もあり、非常に楽しみです。

Long Rangeのサンプル開発中!

現在、ムセンコネクトではLong Rangeの研究開発を進めており、実際に200m級の通信距離でのテストも成功させています。

今後もLong Rangeに関する情報発信や研究開発の成果をお届けする予定です。またLong Rangeに関して何かご不明な点等ございましたら気軽にお問合せください。

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