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Bluetooth®︎ Core 6.3とは?新機能をわかりやすく解説【iPhoneも対応】

こんにちはムセンコネクトの水野です。

Bluetooth®︎ Core 6.3が2026年5月6日にリリースされました。今回の目玉は、デバイス間の距離を測る「チャネルサウンディング」の進化です。さらにWWDC26では、iPhoneがこの測距機能に対応することも発表され、”モノを探す”体験が大きく前進しようとしています。

この記事では、Bluetooth Core 6.3の追加機能を、6.2との違いを交えながらわかりやすく整理します。動画でも無線の専門家が解説していますので、まずは動画を、詳しく読みたい方は本文をご覧ください。

動画では図解付きで解説しています。お時間のない方は本文の要点だけでも把握いただけます。

【この記事の要点】
  • Bluetooth Core 6.3の追加機能は大きく4つ(測距の高精度化2点+RF要件の緩和+HCIの拡張)
  • 最大の注目は測距(チャネルサウンディング)の進化と、iPhoneの対応(※アクセサリ側の対応が前提)
  • 開発者はもちろん、製品企画の方も「自社製品に何が効くか」を把握できる
目次

Bluetooth Core 6.3とは?

結論:Bluetooth Core 6.3とは、2026年5月6日にリリースされたBluetoothの中核仕様の最新版で、測距機能の高精度化を中心に4つの機能が追加されたアップデートです。

Bluetoothの中核仕様(Core Specification)は、6.0以降、年2回のペースでアップデートされています。直近の流れは次のとおりです。

バージョン公開主な内容
6.02024年8月チャネルサウンディング(測距)機能を追加
6.12025年4月RPAランダム更新によるプライバシー強化と省電力化
6.22025年11月接続間隔の短縮による低遅延化(Shortened Connection Intervals)
6.32026年5月チャネルサウンディングの機能向上/デュアルモードのRF要件緩和 ほか

Bluetooth Core 6.3の追加機能は4つ

結論:6.3の追加機能は「①Inline PCT Transfer」「②PHY-specific RTT Accuracy」「③ACP and C/I Limit Relaxation」「④Running Out of Bits(HCI拡張)」の4つです。

このうち①②は測距(チャネルサウンディング)の進化、③は無線設計の要件緩和、④は将来機能に備えた土台づくりです。以下で順に解説します。

① Inline PCT Transfer(測距の効率化)

結論:Inline PCT Transferとは、測距に使う位相情報をハードウェアへ直接転送し、無駄なやり取りを省いて測距を高速・高精度にする仕組みです。

チャネルサウンディングは、Bluetoothの電波を使ってデバイス間の距離を測る機能です。その一方式である位相ベース測距(PBR:Phase-Based Ranging)では、2つの周波数の位相差から距離を求めます。6.3のInline PCT Transferでは、測定した位相情報を報告用データとして別途やり取りせず、そのままハードウェア側へ引き渡せるようになりました。これにより手順が簡素化され、測距の効率と精度が向上します。

そして注目すべきが、WWDC26でのAppleの発表です。iPhone 17以降(N1チップ搭載機)がチャネルサウンディングに対応するとされ、”探す(Find My系)”や忘れ物防止タグ、デジタルキーといった用途がより正確になります。ただし、iPhone側だけでは完結せず、アクセサリ(対向機器)側がInline PCTに対応していることが前提です。自社製品をこの体験に対応させたい場合は、この点が実装上の要件になります。

② PHY-specific RTT Accuracy(PHYごとの精度最適化)

結論:PHY-specific RTT Accuracyとは、測距に使う往復時間(RTT)の精度を、通信方式(PHY)ごとに個別に宣言・利用できるようにした改善です。

チャネルサウンディングのもう一方式であるRTT(Round Trip Time:往復時間)は、電波の往復時間から距離を求めます。6.2以前は、複数のPHY(LE 1M/LE 2M/LE 2M 2BTなど)を使う場合でも、単一のRTT精度値をすべてのPHYに共通で使っていました。しかしPHYごとにシンボル周期やノイズ耐性といった無線特性は異なります。6.3ではPHYごとに異なる精度パラメータを宣言・利用できるようになり、複数PHYを併用する測距の精度と相互運用性が向上しました。

③ ACP and C/I Limit Relaxation(デュアルモードのRF要件緩和)

結論:ACP and C/I Limit Relaxationとは、デュアルモード機器のRF性能要件を緩和し、より省電力な無線設計を可能にする変更です。

対象は、Bluetooth LEとClassic(BR/EDR)の両方に対応するデュアルモードのチップ・デバイスです。ここで、隣接チャネルへの電力漏れを示すACP(隣接チャネル漏洩電力)と、干渉下での受信能力を示すC/I(搬送波対干渉波比)という2つのRF指標について、Classic側の要件がLEと同じ水準まで緩和されました。設計目標が簡素になり、省電力な無線アーキテクチャを採りやすくなります(※Bluetooth LE側のACP・C/I要件に変更はありません)。

④ Running Out of Bits(将来を見越したHCI拡張)

結論:Running Out of Bitsとは、HCI(ホストとコントローラをつなぐレイヤー)の機能・イベント管理枠を将来のアップデートに備えて大幅に拡張した変更です。

HCIは、Bluetoothの機能やイベントを1機能=1ビットで管理しています。この管理リスト(Supported Commands など)が、今後の機能追加を見越して拡張されました。すでに枠の約75%が使用済みで、近い将来に不足する見込みだったためです。既存のソフトウェア資産との互換を保ちつつ”器”を広げた、地味ながら重要な土台整備です。

6.2から6.3で何が変わった?(比較まとめ)

結論:6.2が「低遅延化」を中心とした更新だったのに対し、6.3は「測距の高精度化」と「無線設計・将来拡張の土台整備」が中心です。

観点Bluetooth 6.2(2025年11月)Bluetooth 6.3(2026年5月)
中心テーマ接続間隔の短縮による低遅延化測距(チャネルサウンディング)の高精度化ほか
測距Inline PCT Transfer/PHY-specific RTT Accuracy
無線設計デュアルモードのRF要件を緩和
将来対応HCIの管理枠を拡張

実務の視点(Bluetooth製品の開発・認証の現場から)

Bluetooth製品の受託開発や認証取得を支援している立場から見ると、6.3の変更は「今すぐ全製品に必須」というより、測距を活かす製品(デジタルキー・資産追跡・忘れ物防止・”探す”連携など)を企画している場合に効いてくるアップデートです。特にiPhone連携を狙う製品では、アクセサリ側のInline PCT対応が要件になり得るため、チップ選定や設計の早い段階で確認しておくと手戻りが減ります。RF要件の緩和は、デュアルモード機器の省電力設計の自由度を広げる方向に働きます。

よくある質問(FAQ)

Bluetooth Core 6.3はいつリリースされましたか?

2026年5月6日にリリースされました。Bluetoothの中核仕様は6.0以降、年2回のペースで更新されています。

Bluetooth 6.2と6.3の違いは?

6.2は接続間隔の短縮による低遅延化が中心、6.3は測距(チャネルサウンディング)の高精度化とRF要件の緩和・HCI拡張が中心です。

Bluetooth 6.3でiPhoneは何ができるようになりますか?

WWDC26でiPhone 17以降(N1チップ)のチャネルサウンディング対応が発表されました。より正確な距離測定が可能になりますが、アクセサリ側がInline PCTに対応していることが前提です。

チャネルサウンディングとは何ですか?

Bluetoothの電波を使ってデバイス間の距離を測る機能です。位相ベース測距(PBR)と往復時間(RTT)の方式があり、6.3で精度・効率が向上しました。

自社のBluetooth製品を6.3の測距に対応させるには?

対応チップの選定や、iPhone連携ではInline PCT対応などが要件になります。要件確認や開発・認証のご相談は、お問い合わせください。

まとめ

Bluetooth Core 6.3は、測距の高精度化(Inline PCT Transfer/PHY-specific RTT Accuracy)を軸に、RF要件の緩和とHCIの将来拡張を加えたアップデートです。iPhoneの対応というトピックもあり、”モノを探す”体験の進化が期待されます。図解付きの詳しい解説は、ぜひ動画でご覧ください。

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