【 無線化講座が「本」になりました 】ムセンコネクト著書『Bluetooth無線化講座』出版決定

産業用機器にBluetoothが適する5つの理由

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら

本テーマは動画解説をメインとしておりますが、テキストでの解説もご用意しております。
視聴が難しい方は本ページをスクロールしてご覧ください。

主にコンシューマー向けの用途での活用事例が目立つBluetoothですが、産業用途にも適していることは意外と知られていません。

そこで本日は、産業用途にBluetoothが適している『5つの理由』を解説します。

目次

干渉に強いから、電波環境が悪い場所でもデータが送れる

Bluetoothは、Wi-FiやZigBeeなどと同じ2.4GHzの周波数帯を使用していますが、他の無線デバイスとの干渉を避け、着実にデータを送信するための優れた仕組みを持っています。

例えば、適応型周波数ホッピング(AFH)により、他のデバイスが同じ2.4GHz帯の一部の周波数を占有していたとしても、それらのデバイスが使用している周波数を自動的に避け、自身は同じ帯域内で空いている周波数を使用し、安定した通信を確保します。

適応型周波数ホッピング(AFH)とは?

AFHは、Bluetooth 技術が干渉を回避するために利用する独自のスペクトラム拡散技術です。

スペクトラム拡散技術

衝突や干渉が起こりやすい混雑した無線環境において、無線技術の耐障害性を高めることができる技術

Bluetoothは複数の無線チャネルを使用し、他の通信との衝突の可能性を減らすために、通信チャンネル間のホッピングを行います。

通信チャンネル

Bluetooth Low Energy (LE) は 2.4GHz ISM 無線帯域を 40 チャンネルに分割し、Bluetooth Classicは 80 チャンネルに分割しています。

この周波数ホッピングを行うことで、より多くの電波容量をメッセージ用に確保し、通信の信頼性を高めることができます。さらにAFHは、Bluetoothパケットがアクティブで混雑したチャンネルを回避するように適応することができます。具体的にはBluetoothはどのチャンネルが最も機能しているかを動的に追跡し、最も信頼性の高い経路を見つけることができます。

既存の産業用システムに導入しやすい

産業用アプリケーションでは、シリアルポート、RS232C、UARTなどが広く使用されていますが、Bluetoothにはシリアルポートを無線化するためのSPP(シリアルポートプロファイル)という、そのものズバリなプロファイルが用意されています。

このSPPを使うことによって、シリアルケーブルをBluetooth通信に置き換えることができ、既存の産業用システムに容易に無線通信を導入させることが可能です。

また、SPP通信からBLE通信へ置き換えることで、デバイスの省電力化やスマホ・タブレットとの通信もカンタンに行えるようになります。

通信距離は意外に長い

Bluetoothはコンシューマー向けの利用シーンが多いこともあり、多くの方々が10~数十m程度の近距離でしか通信できないと思い込んでいるようです。しかし、Bluetoothはv5.0以降で新たに追加されたCoded PHY機能を選択することにより、見通しのよい場所では200~300m級の長距離通信にも対応しています。

世界各国どこでも使える

Bluetoothは世界共通規格であるため、どの地域でも使用することができます。そのため、異なる地域・市場に合わせたカスタム仕様のデバイスを開発・製造する必要はありません。また、Bluetoothは2.4GHz帯(ISMバンド)のため、世界各国の電波法認証対応でも確実に取得が可能です。

セキュリティの設計が施されている

Bluetooth 4.2以降からは、転送中のデータが傍受されることを防ぐ『LE Secure Connections』というオプション機能を使うことによって、セキュリティを向上させることが可能です。

ただし、Bluetoothを使っていればセキュリティが万全というわけではありませんのでご注意ください。

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